風景と人。これらは相反するもの同士ではなく、お互いの深い関係性のなかに存在しています。日常で見慣れているありふれた町並み、雑然と横切る電線の眺め、凸凹と混在する新旧のビル群など、日本的なシティスケープをグラフィカルに整理しながら、その中に生きる私たちの心を表す舞台装置であるかのように再定義して見せるのが内田文武氏の絵です。マニエリスムとは対照的な、クールな眼差しによって封印される風景画であるのに、見る者の眼へ深い浸透力で入り込める力があります。反対に、人物を描いた絵であっても、無機質なオブジェクトとして扱う筆致から生み出されており、見ていると風景に向き合う時と同質の感傷に包まれる面白さを感じることができるのです。
彼の絵の影絵のようなエッセンスと集約力は、洗練された色彩バランスとあいまって、新しい侘び寂び表現とも評されています。世界的なクリエイター年鑑 「LE BOOK」の海外版の装画を担当して国際的な注目を集め、CDジャケットやパッケージデザインも手がける内田氏。最近では全国各地の繁華街に掲げられたビルボード広告で、彼のアートワークが街の風景の一部として溶け込んでいるのを見ることができます。
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solo exhibitions
2018 | UKIYO REMIX (DMO ARTS)大阪 |
2017 | Ukiyo-e Composition /浮世絵の構図 (tagboat Gallery)東京 |
2017 | atelier (ヴィジョントラック大阪 プライベートギャラリー)大阪 |
2013 | Change (GALLERY SPEAK FOR) 東京 |
Birds Sky Landscape (BIRDHOUSE 南青山)東京 | |
2010 | 肌鏡 (GALLERY SPEAK FOR)東京 |
2009 | 時間 (GALLERY SPEAK FOR)東京 |
Real & Fake (Edition / 丸の内 名古屋 梅田) 東京 名古屋 大阪 | |
物質 (pict:gallery) 大阪 | |
2008 | scene3 (PRINZ) 京都 |
2007 | 風景 (PRINZ) 京都 |
Fmitake Uchida ex・hi・bi・tion (スパイラルマーケット) 横浜 | |
内田文武作品展 (LIBRO) 名古屋 | |
2006 | Untitled (S.c.o.t.t) 東京 |
風景 (VERANDA 東京 | |
静かな冬の入口で (PRINZ) 京都 |
group exhibitions
2014 | TAKE OUT ART (Gallery Near) 京都 |
2011 | DONATIONS (GURA) 京都 |
2010 | Art Court Frontier 2010 #8 (アートコートギャラリー) 大阪 |
2009 | CHOICES FOR GIFTS (GALLERY SPEAK FOR) 東京 |
ネオテキスタイル (京都造形芸術大学 ギャラリーRAKU) 京都 | |
2008 | デスティネーションジャパン (MoMA Design Store) ニューヨーク |
The Artists Who Love Mickey & Minnie (スパイラル) 東京 | |
Reconcilable Generation (GALLERY SPEAK FOR) 東京 | |
iLLUSTRATiON BOOK PRO 02 SPECIAL EXHIBITION IN WEST JAPAN (pict:gallery) 大阪 | |
2007 | SUR★FACE (Page One) シンガポール&香港 |
Connections 2007 (The Royal Horticultural Halls) ロンドン | |
exhibition (McCANN ERICKSON) ロンドン | |
7人の若手作家展 (TAGBOAT)東京 | |
イラストレーションブックプロ原画展(青山ブックセンター本店ギャラリー)東京 | |
2006 | tenants展 (graf media gm) 大阪 |
第7回SICF (スパイラルホール) 東京 | |
ELLE LOVES ART (六本木ヒルズ) 東京 |