先日制作した「日立評論」の冊子が届いた。

淡い色の街並みは様々な技術で支えられ、検証され、更新され、入れ替わる。
それらが周辺に影響を与え、また周辺もそれらの変化の過程に影響する。
ミクロに見ると常に変化しているものがマクロに見ると変化していない様に見えるのは、私たち生命と似ている。

生物学者のルドルフ•シェーンハイマーは、重窒素で標識したロイシンを含むエサを大人のネズミに与える実験をした。
結果、ロイシン分子はばらばらに分解され、それらの窒素原子はタンパク質に再構成されて、全身のあらゆる組織に分散されていた。
この実験では3日間の内に、ネズミの全身のタンパク質の半分が新しいタンパク質に入れ替わっている事がわかった。

情報で構成された技術に重窒素で標識したとしたら、どのように分解され、何に入れ替わるのだろう。

世界は動的に平衡を保っている。

表紙の絵は人や車に標識している風にも見えてくる。

 

ふと、スガシカオの「ココニイルコト」という曲の一節を思い出した。

『ひろいこの街で生きて行く それはくり返すことかもしれない』